1979年完成したサトウ歯科は26年後の2005年、放出駅周辺地区土地区画整理事業により前面道路は歩道付12Mに拡幅され、東隣に換地・建替えになった。計画中に隣接する南側敷地を購入することが可能になり、別棟の住宅(放出の家)として同時計画になった。北側敷地は道路と斜めに接し歩道から1Mの壁面後退になる。車椅子対応のアプローチと植込みにした。矩形の平面と道路の間に発生する三角形の空間は、住宅部分はアルミパンチングスクリーンとデッキのシースルーな表相で外部空間を内包する。医院は待合室のカーテンウォールで外部と視覚的に連続する。また、北と南のふたつの棟の間に光庭を創出。医院は初期段階から吹き抜けをイメージしていたが、南面光庭により光、風、緑を多彩に採り入れた明るい診療空間が実現した。高度先進の診療技術と機能を有する歯科医院として診療3台、ケア1台のチェアを吹抜空間の中にゆったりと感じるように配置寸法を入念にチェックした。もう1台は手術室に位置する。東壁面は上部は二重壁に間接光と外気取入れ口を設備、中間はアルコーブのプレゼンテーションスペース、下部は高さ1.2Mの収納が連続する。フロアは超硬質高耐久木材t=20(ジャラ材)張ウレタン塗装のウォークイン方式。2階は受付上部にある研修・多目的室と南側にスタッフルーム。住宅は3・4階で屋上には芝生を主体にしたグリーンスペースがある。 |