佇まいのよい建築は雑然と不調和が混在
している中で一目瞭然、醸し出されてい
る雰囲気は凛としています。
建築とは、われわれの思考がつくり上げ
るものにほかなりません。豊かな発想を
すれば、空間は豊かになるでしょう。
人それぞれにある建築と風景の記憶、中
心把握より物語性が浮かびます。一本の
線からはじまる直感的なイメージは潜在
意識と結びつき、独自の形態を追求して
明瞭にします。
空間のゆるやかなつながり、垂直水平の
ひろがり、立体的な光の採り入れ、空き
と透きによる視線の抜け、多機能で可変
的な仕掛け、ゆたかな空間をつくる手法
は多彩です。
美は細部に宿る。という。大きいものは
どっしりと、小さいものはより小さく、
軽く、薄く、細く。洗練されたディテー
ルと良質な素材の質感によって全体と部
分の関係は心地よい緊張感が漲ります。
「すっきりとした佇まい」それは、表層
に滲み出る練り上げた内の様子です。
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